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自転車走行に安心・安全な自転車通行空間整備とは?

自転車の走行は車道?歩道?

道路交通法において、自転車は車両と規定されており、一部の例外を除き、車道の左側を通行しなければなりません。
一部の例外とは、①道路標識等で指定された場合、②運転者が13歳未満の子どもや70歳以上の高齢者の場合、③運転者が身体に障害を有する場合、④車道または交通の状況からみてやむを得ない場合などです。
つまり、原則自転車は車道を通行しなければなりません。それに伴い、近年では車道左側における自転車道、自転車専用通行帯(自転車レーン)、車道混在などの自転車通行空間整備がすすめられています。
しかしながら、車道左側の自転車走行は、車が自転車の横を通過するため、車との接触の危険性が高まります。
ここでは、車道左側の自転車走行における、安心・安全な自転車通行空間整備に焦点を当て、解説していきます。

車道左側の自転車走行に潜む危険とは?

自転車が車道の左側を走行する際、車道の白線と縁石との間のスペースを走行することになりますが、この部分を路肩と呼び、路肩には雨水排水を流すための側溝が必要です。
一般的に整備される側溝は、エプロンと呼ばれる雨水排水を流すためのコンクリート部が道路上に露出した側溝です。このエプロンがあることで、路肩に段差やガタツキが生まれ、自転車はエプロンを避けようと右側に寄って走行してしまい、車との接触の危険性が高まります。
さらに、雨天時にはエプロンに水たまりができ、より滑りやすくなり転倒の危険性が高まります。


自転車走行に安心・安全な自転車通行空間を整備するには

自転車が車道を安心して走行できる自転車通行空間を整備にするには、極力段差やガタツキをなくし、雨天時に水たまりができないような構造とすることが必要です。そこで、エプロンの代わりにスリット(集水孔)から雨水排水を集水し、エプロンを狭くした側溝を整備することで、コンクリート部の路面露出が少なくなり、縁石ぎりぎりまでアスファルトで舗装され、段差やガタツキがなくなります。
また、雨水排水はスリットを通して側溝へ集水されるため、水たまりもできません。
このようなエプロン幅を狭くした側溝を整備することで、自転車走行に安心・安全な自転車通行空間整備をすすめることが可能です。


実際に自転車の走行実験を行いました!

そこで、車道のエプロン幅の違いが自転車走行にもたらす影響を検証してみました。
エプロン幅の広い製品と、エプロン幅の狭い製品が施工されている路肩をそれぞれ実際に自転車で走行し、①自転車走行位置、②どう感じたか? の2つを検証しました。
※「車道端部の路面構造が自転車利用者の意識と挙動に及ぼす影響に関する研究」2017

検証1.走行位置を調べました!

▽エプロン幅の広い製品 (40cm)
▼エプロン幅の狭い製品 (5cm)

エプロン幅の広い製品では、約97%の人が、中央~車道寄りを走行している一方で、エプロン幅の狭い製品では、約92%の人が中央~歩道寄りを走行しています。

↓↓実際の検証中の動画はこちらからご覧いただけます↓↓


検証2.「どう感じたか?」アンケート調査しました!

▽エプロン幅の広い製品 (40cm)
▼エプロン幅の狭い製品 (5cm)

エプロン幅の広い製品では、24%の人が不安に感じた一方で、エプロン幅の狭い製品では、不安に感じた人は0%となっています。

まとめ

 この2つの調査結果から、エプロン幅が広いと車道寄りを走行しなければならず、車道寄りを走行すると車両と接触するかも…という不安を感じるということが見えてきます。
 その一方で、エプロン幅が狭いと歩道寄りを走行でき、安心と感じることができています。
この実験結果からも、自転車が安心・安全に車道を走行するには、エプロン幅の狭い自転車道、自転車専用通行帯(自転車レーン)、車道混在などの自転車通行空間整備が必要だということが分かります。

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