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グレーチング?側溝?―意外と知らない道路の話―
グレーチングの役割
皆さんは道路でこんなものを見たことはありませんか??
これはグレーチングと言います。
溝に蓋をするという意味で溝蓋とも呼ばれています。
一見何の変哲もない鉄格子ですが、実はこのグレーチングには重要な役割があります。
まず、道路にはゲリラ豪雨(集中豪雨)時などに水たまりや冠水を防ぐため、側溝が設置されています。
ただ、この側溝には蓋がなく、人や車が誤って落ちてしまう可能性があります。
通常であればコンクリート蓋をかぶせていますが、コンクリート蓋だと集水能力が高くありません。
そこで、グレーチングの登場です!
側溝の上に蓋として設置し、人や物の落下を防ぎ、水だけを集水する役割を担っています。
道路の脇、歩道と車道の境界、駐車場、ビル・建築物の外構、公園、商店街の中などいたるところにあり、道路や敷地の集排水を補助しています。
道路側溝の種類
道路側溝には主に2種類あります。
- 縦断側溝:水路と平行に荷重(車両の重さ)がかかる箇所に用いる側溝
- 横断側溝:水路と垂直に荷重がかかる箇所に用いる側溝
縦断側溝は道路の脇に多く設置されており、皆さんも一度は目にしたことがあると思います。
今回はあまり知られていない横断側溝をさらに掘り下げてご紹介します。
横断側溝の役目
横断側溝のグレーチング蓋は民地と車道、県道と市道といった、管理者の異なる場所の境界で、お互いの路面の水を行き来させないことが一つの目的です。
もちろん、コンクリート蓋だと経年でガタついたりすることがあるので、その対策としてグレーチング蓋を採用するということも理由の1つです。
しかし、勾配のきつい坂道では、集中豪雨等の際にはグレーチングに流入する雨水が側溝内に落下せず、グレーチング上を通過してしまうことがあります。
これを「グレーチングの越流」と言います!
管理者の異なる境界に設置している横断側溝の場合は、越流した雨水が、下流の管理者側へ流れていってしまいます。
アンダーパスや坂道にある横断側溝だと、最下部で浸水被害がでる場合も。
また、横断側溝以外でも越流が起こってしまうと、想定以上の雨水が下流の道や民家に流れ込んでしまいます。
→このような条件下ではさらに越流の可能性が高まります。
さらに、近年では集中豪雨(ゲリラ豪雨)が多く発生し、通常の雨では問題なかった場所でも、一気に大量の雨水が流れ込むと越流の可能性が高まります。
グレーチングの越流対策
このような現象を防ぐためには何ができるでしょうか??
グレーチングの溝の隙間を大幅に広げてしまえば、歩行者の通行の妨げになってしまいます。
そこで、横断側溝自体の角度に工夫を凝らしたものや、支障のない程度にグレーチングの溝を広げることで対策も可能ですが、その中でもグレーチングにスロープを設けたものであれば、安全に効率的に水を飲み込むことができます。
ゲリラ豪雨はいつ来るかわかりません。
その前に対策を打ってみてはいかがでしょうか?
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