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事前準備が重要!!
~台風、ゲリラ豪雨の前に集水桝のメンテナンスを~
近年増えた集中豪雨で起こる水溜まりや冠水や洪水、実は集水桝周辺の環境を整えると緩和される場合があります。
本コラムでは、集水ますが関連する水たまりや冠水について、その原因と対策をご紹介していきます。
集水桝(しゅうすいます)とは?
そもそも集水桝とは何かご存知でしょうか?
集水ますとは、雨水ますとも呼ばれ、地面に降った雨を集めて貯留する施設です。
一般的に、桝に向かって路面の勾配(傾斜)がついており、桝蓋の開口部から雨水を取り込んでいきます。
他の役割としては、溜まった雨水を桝に接続されたパイプなどから雨水管や下水管へ排水し冠水を防いだり、深さを設けることで泥や落ち葉などをそこに溜める役割も担っています。
桝に泥や落ち葉を溜めることで、メンテナンスしやすくなる他、側溝や街渠など他の排水施設の機能が保たれ冠水を防ぎやすいという効果があります。
また、桝蓋(ますぶた)には様々な種類があり、鉄蓋・コンクリート蓋・グレーチング蓋などが一般的です。
水たまりや冠水が起こる要因と対策
原因➀ 蓋が鉄製、コンクリート製で開口部が少ない
鉄蓋やコンクリート蓋を側溝に使用している場合、開口面積が小さく、ゲリラ豪雨など一気に雨が降ると集水しきれず冠水する可能性があります。
そんなときは!
⇒蓋をグレーチングに変更すると、集水能力がUPします。
原因➁ 桝蓋の開口部に砂が詰まっている
道路の砂、公園内の砂、校庭や海岸の砂… 砂が雨や風と共に、雨水桝に集まってきます。
砂が桝蓋の開口部に詰まってしまうと、水が桝に入っていきません。
そんなときは!
⇒細い工具などを使用して清掃し、目詰まりを解消させてあげましょう。
工具までいかなくても、割りばしなどでも代用できると思います。
砂が目に詰まった細目グレーチング
原因③ ゴミ、落ち葉がたまっている
ゴミや落葉が桝の手前で堆積。それらが邪魔して、雨水が桝の開口部まで到達していないことがあります。
砂と同様、雨とともにゴミや落葉も側溝の桝周辺に集まってきます。
そんなときは!
⇒桝周辺の環境を整えましょう。
管理者が桝周辺のメンテナンスを定期的に行っていると思いますが、皆さん一人ひとりがゴミや落葉の清掃を行うことで、
ますの集水機能を回復することが出来ます。
「雨水桝清掃のお願い」としてホームページに案内を載せている自治体もありますので、チェックしてみてもいいかもしれません。
⇒ゴミ、落ち葉対策型の蓋にする
ごみ、落ち葉対策用のグレーチングに交換することも対策の1つです。
既設の枠をそのまま利用し、グレーチングだけ取り換えられるものもありますので、街路樹の多い場所では
そういったグレーチングに入れ替えるのもいいかもしれません。
落葉が蓋周辺に溜まってしまっている桝
落ち葉対策タイプのスロープ付きグレーチング
雨水が桝に入らないと、周辺に水溜まりができたり、冠水が起きてしまう場合もあります。
重要なのは、しっかりと桝内に雨水を落とし込むことです。
今回、集水桝が関連する水たまりや冠水・洪水対策を探っていきました。
私の住んでいる自治体では、道路課が運営しているLINEアカウントがあり、雨水排水施設の不具合など相談できる窓口があります。
必ずではありませんが状態によっては、対応してくれるようです。
ただ、まずは自分たちで出来る集水桝のメンテナンスを率先して行い、台風・ゲリラ豪雨に備えましょう。