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現在、無電柱化は、災害の防止、安全で円滑な交通の確保、景観の向上などを目的とし、全国で進められています。加えて、伝統的建造物群保存地区(伝建地区)に代表される、日本各地に残る歴史的街並みでの無電柱化は、観光振興、地域活性化などの効果も期待されています。ここでは、伝統文化の継承という視点から、日本各地に伝わる「祭り」と無電柱化との関わりに焦点を当てていきます。
日本には、地域の人々が一体となり執り行う「山・鉾・屋台」の巡行を中心とした祭礼行事が数多く存在します。
上空に網の目のように張り巡らされた電線と、道路幅員を大幅に削る電柱の存在は、祭りの風情を阻害するだけでなく、「山・鉾・屋台」巡行時の大きな障害となっています。
たとえば京都の祇園祭では、巡行前に電線の確認を行い、感電の危険がある個所に防護措置をするなど、祭りの本題ではないところに多大な労力とコストがかかっており、昨今の担い手不足と相まって、大きな課題となっています。
また、迫力ある遣り回しで有名な「だんじり」行事においては、電柱への激突による重傷者・死者が出る事故が毎年のように発生しており、安全面においても大きな課題となっています。
【剣鉾巡行(吉田今宮社神幸祭・京都府京都市)】
6~7m、重量約30kg以上の剣鉾を持ち練り歩く。
弱電線や引込線の架空高さは4~5m程度であることから、架空線が巡行の支障となる。
【ふとん屋台太鼓(大宮八幡宮例大祭・兵庫県三木市)】
4~5mのふとん屋台太鼓を50~70人の担ぎ手で持ち上げる。
架空線に干渉するため、写真のように電線を持ち上げながら宮入を行う。
狭い道路を巡行する神輿
(吉田今宮社神幸祭・京都府京都市)
「山・鉾・屋台」は、大変な重量物です。例えば、祇園祭の山鉾行事の「月鉾」は11トン、曳山の中で日本最大とされる石川県七尾市の青柏祭の曳山(通称「でか山」)は約20トンの重量があります。構造上、一般車両のようなゴムタイヤではなく、接地面積が小さく路面への荷重が集中する木輪を使用しているため、路面にかかる負担は、通常のトラックなどに比べて大きくなります。
また、「山・鉾・屋台」は商店や住宅が密集している狭隘道路を巡行することが多く、従来の管路方式で埋設位置や深さを考慮した結果、対応できない場合が多くあります。
このようなことから、低コスト手法である小型ボックスや側溝下スペースの活用など、状況に合わせた無電柱化手法の組み合わせが必要となります。
祭礼行事が行われる地域での無電柱化は、景観の改善だけでなく、「山・鉾・屋台」の担い手が安心して祭礼行事を行えるような環境づくりに貢献することが可能であり、伝統文化の継承という点で大きな役割を果たします。
このように無電柱化は、防災などの「ハード面」の対策だけでなく、観光振興、歴史的街並みの保全、地域活性化など「ソフト面」での効果も期待されます。
【吉田今宮社神幸祭・京都府京都市】
【祇園祭・京都府京都市】
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