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生活道路の安全対策

生活道路とは?

生活道路とは、日常生活に利用される道路で、車よりも自転車や歩行者の通行が多い道路のことです。
法令上では生活道路の明確な定義はありませんが、国土交通省の作成する統計資料では、「車道幅員5.5m未満の道路」を生活道路としています。


生活道路 通り抜け対策
生活道路 通学路

生活道路の特徴として、
・道路幅員が狭い
・住宅地に隣接することが多いことから見通しが悪い道路である場合が多い
・信号や横断歩道がなく、車道と歩道の区別がない場合が多い
などがあげられます。
幹線道路や大通りへの通り抜けとして利用されることが多い一方で、通学路としても利用されることから、より安全対策が求められます。

生活道路で発生する交通事故の現状

交通事故の死者数は年々減少し、幹線道路での交通事故件数も年々減少傾向にありますが、生活道路に限るとその減少割合は小さくなっています。(図1)
また、歩行中・自転車乗車中の死者数は、全交通事故死者数の約半数を占めており(図2)、そのうち約半数は、自宅から500m以内の身近な道路で発生しています。(図3)
さらに、事故時の衝突速度に着目すると、時速30キロを超えると死亡事故率が格段に高くなります。(図4)


[道路種別の交通事故件数の推移] 図1
道路種別の交通事故件数の推移グラフ
出典:交通事故統計年報
[状態別交通事故死者数] 図2
状態別交通事故死者数内訳
出典:警察庁交通局「平成30年における交通死亡事故の特徴等について」

[自宅からの距離別死者数(歩行者・自転車)] 図3
自宅からの距離別死者数(歩行者・自転車)
出典:交通事故データ(ITARDA:平成30年データ)
[生活道路 速度別死亡事故確率] 図4
生活道路 速度別死亡事故確率
出典:交通事故データ(ITARDA:平成30年データ)

*国土交通省ホームページ「交通事故の現状」より引用、当社にて加工して作成


生活道路の交通事故防止対策

生活道路を整備する際の事故防止、安全対策として以下のようなものがあげられます。

速度抑制

・進入口を狭くする
幹線道路との交差点において、歩道を張り出し狭窄することで、生活道路への進入口を狭くします。
これにより、自動車通行部分を狭くし速度を抑制するだけでなく、通り抜け対策にもなります。

張り出しによる生活道路の安全対策


・シケイン(屈曲部)を設ける
シケインを設け、車両通行部の線形をジグザクに蛇行させることで、車両の速度を抑制します。

シケイン(屈曲)による生活道路の安全対策

生活道路の安全対策を目的としシケインを設けた施工例(ライン導水ブロックF型)


・ハンプ(凸部)を設ける
路面上にハンプ(凸部)を設けることで、車両の速度を抑制します。


ハンプによる生活道路の安全対策事例
ハンプによる生活道路の安全対策事例2

車道と歩道を分離

・路肩のカラー舗装
路肩の舗装に色をつけることで、視覚的に分離します。


カラー舗装よる歩道と車道の視覚的分離
カラー舗装よる歩道と車道の視覚的分離2

・防護柵の設置
防護柵を設けることで車道と歩道を分離します。


防護柵による歩道と車道の分離

路面の滑り抑制

生活道路は生活に密着した道路であることから、歩行者、自転車の通行が多く、降雨時の路面の滑りは歩行者、自転車の転倒の原因となります。

・水たまりの解消
歩車道境界に、雨水を集水するスリット付きの縁石を使用することで、降雨時の路面上の水たまりを解消、路面の滑りを抑制し、歩行者、自転車の安全性を高めます。また、車両通行による水ハネも抑制でき、雨の日の歩行者や自転車の通行の快適性を高めます。


水溜まり発生状況
ライン導水ブロックで水溜まり解消
ライン導水ブロック(車両乗入)
ライン導水ブロック-F型(車両乗入)

・マンホールふた、グレーチングの滑り対策
マンホールふたや、グレーチングにスリップ防止のシートを貼ることで歩行者や自転車の滑りを抑制します。


滑りやすい箇所にあるマンホールふた
グレーチングの滑り止め対策
熱溶着式滑り止めシートロジングリップ

無電柱化(電線類の地中化)

生活道路内に乱立する電柱は、道路幅員を狭めるだけでなく、歩行者や自転車の通行の妨げになっています。
電柱を避けようとして歩行者や自転車が車道側にはみ出すことにより、車との接触の危険性が高まります。
無電柱化を行うことで、スムーズな通行を実現し安全性を高めます。


無電柱化の必要性
電線類地中化による生活道路の安全対策

これらの安全対策は、単一の対策だけではなく、多様な手法を組み合わせるなど、柔軟な発想により現場に応じた対策が求められています。

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